日立、三菱の水力発電システムが統合
日立製作所、三菱電機、三菱重工業の水力発電システムが統合され、各社の当該部門を継承して2011年10月1日付けで「日立三菱水力株式会社」が設立される。*1持ち株比率は日立製作所50%、三菱電機30%、三菱重工業20%。
- 日立製作所、三菱電機、三菱重工業の水力発電システム事業の統合に関する基本合意についてのお知らせ(日立製作所ニュースリリース、2011/03/30)
- 日立製作所、三菱電機、三菱重工業の水力発電システム事業の会社分割によるエイチエム水力への承継に係る吸収分割契約の締結に関するお知らせ(日立製作所ニュースリリース、2011/08/04)
日立と三菱の業務提携といえば、8月4日付けの日本経済新聞の大チョンボが記憶に新しい。この日の朝、日経一面にこれ以上ないほどの大見出しで「日立・三菱重工 統合へ」の見出しが躍ったのである。ほかの新聞では一切触れられておらず、日経の大スクープ(事実なら)。朝から産業界は蜂の巣をつついたような騒ぎだった。
が、まもなく、日立製作所、三菱重工業とも、ホームページに「本日の一部報道について」と題し、次のような記事が掲載された。
本日、当三菱重工業株式会社と株式会社日立製作所との統合に関して、一部報道がありましたが、これは当社の発表に基づくものではありません。また、報道された統合について、当社が決定した事実もありませんし、合意する予定もありません。
全否定である。その後、やっぱり合併しますとか、業務提携しましたといった発表はない(今回の水力事業の統合は一年以上前から言われていたことであり、日経のスクープとは別)。当の日経新聞は、後追い記事もなく(発表がなかったのだから、書くことはないわけだが)、といって、「あれはヨタ記事でしたすんません」という謝罪・訂正もないようだ。
全く根も葉もない話だったわけではないだろう。話し合いは持たれていたものの合意に至らなかったのか、統合する予定で準備していたが事前にすっぱ抜かれたためできなくなってしまったのか。後者だとしたら、日経が潰したことになる。
- 「日立・三菱重工 統合へ」 日経報道は大スクープか、フライングか(j-cast、2011/08/04)
- 池上彰氏が日経報道姿勢に「苦言」 「日立・三菱重工統合」続報なぜ出ない(j-cast、2011/08/29)
*1:既に5月から「エイチエム水力株式会社」を設立して準備を行っていたが、10月1日付けで「日立三菱水力株式会社」に商号変更される。