NUMECA、CADENCEに買収される
2021年1月20日、ケイデンス・デザイン・システムズ社は、NUMECA Internationalを買収する最終契約を締結したことを発表した。買収の条件は非公開。
- ケイデンス、NUMECA社を買収、数値流体力学におけるシステム解析機能を拡充(Cadence社のサイト、2021/1/21)
ケイデンス・デザイン・システムズは、アメリカの半導体開発用ソフトウェア(EDA)企業で、世界の電子設計技術およびエンジニアリング・サービスの最大のサプライヤーである。近年はシステム解析領域のソリューション開発に力を注いでおり、3D電磁界解析ソルバー、3D FDTD電磁界解析ソルバー、電気・熱の協調シミュレーション環境など、次々と新製品を投入している。
NUMECAは流体解析ソルバーやメッシュ作成のソフトウエアの開発に実績があり、創業者がいまだ第一線で頑張っている、今となっては稀有な存在である。業界再編が進む中、いずれどこかに買収されることは必至であったろうが、今回のニュースは二つの点で驚きであった。
ひとつは、創業者(Prof. Charles Hirsch)が第一線を退いた後はともかく、現場の陣頭指揮を執っているうちは買収はないと思っていたこと。もうひとつは、予想外の分野から触手が伸びてきたこと。
CFXやFLUENTがANSYSに買収され、ソフトウエア・クレイドルがMSCに買収され、CDアダプコがシーメンスに買収され、というのはわかる。同じあるいは隣接する業界だから。ANSYSがANSOFTを買収したことの逆の構図だと考えれば、あり得る話か……。*1