HPがPC部門を売却?(その2)話したくても話せない事情
昨日のエントリ、「HPがPC部門を売却? Digitalの遺伝子途切れる」その後の話を少し。
- 「『webOSを捨て去るわけではないけど今のところ計画は未定』とHPの偉い人」(ITmedia オルタナティブ・ブログ、2011/08/19)
- 「『webOS打ち切り』記事は見当違い? HPトップとPalmチームに温度差というか」(ITmedia オルタナティブ・ブログ、2011/08/21)
昨日のリンク先でも、Bloomberg.co.jpでは「「WebOS」搭載の製品ラインを打ち切ることを明らかにした」となっているが、Computerworldでは「「webOS」事業を打ち切ることも突然発表した」とあり、表現にぶれが見られる。
上記の記事によれば、「WebOSデバイス事業はやめるけど、WebOSはやめない」ということらしい。結果的にどう違うのか、よくわからないけど。
ところで、上記2つ目の記事には下記の記述がある。
自分の部署が関連する重大な話をプレスリリースで初めて知ることってたまにありますが(笑)、そんなとき、会社は社員を大事に思っていないんだなぁとがっかりします。
気持ちはわからなくもないが、これはできない相談だ。そんなことをしたら罪に問われたり、莫大な賠償金を請求されたりするから。HPが悪いわけではない。まして「社員を大事に思っていないから」というのは大きな誤解である。
僕も、以前勤めていた会社が大手に買収されるという「事件」を経験したことがある。2004年のある日の夜、仕事もきりがつき、帰宅前にニュースサイトなどをうろうろしていたところ、うちの会社が某社に買収されることになった、という記事を読んだのだ。「なんじゃこりゃーっ」と叫び、しばし呆然としていたところ、お客様から電話がかかってきた。
「今ニュースを見たんだけど、本当なの?」
「いや、私も先ほどニュースを見ただけで、まだ上からは何も言われていませんで……」
この時は、せめてお客さんよりも先にニュースを見ておいてヨカッタ! とは思ったが、社員であれば対外的にアナウンスする数日前には知っていてしかるべきではないか? と腹を立てた覚えがある。
が、買収だの合併だのいう話は当然株価に直結するし、そうした動きをたとえ社員であれ、事前に漏らしたとなると、インサイダーに引っかかってしまうのだ。だからプレス発表前に社員にだけ話すなどということは、したくてもできないのだ。プライベートカンパニーだと緩いかも知れないが、上場企業ならきちんとしているだろう。まして外資系ならなおさら。
そんなわけで、早めに事情を知る、というのは諦めたほうがいい。せめて乗り遅れることのないよう、自社に関連のあるニュースが載りそうなサイトのチェックは怠らないことだ。