OpenFOAM事始め(はてなブログ編)

CAEにまつわるアレとかコレ

粒子法とDEMは別物

7月16日の「MSCが流体解析ソフトの提供を開始」に下記のように書いた。

このXFlowは粒子法である。粒子法は、つい先月公開されたOpenFOAM 2.0.0でも採りいれられていたが、最近注目されている手法である(FLUENT R13でも採用されている)。

これは粒子法とDEMを混同した誤りでした。訂正します。

DEMは粒子を粒子として解くもので、粉塵や土砂などの流動解析に適用できる。これらは通常の流体解析では解くことができないため(流体じゃないから)、これによって適用範囲がそれだけ広がることになるが、DEMが有用なアプリケーションはそれほど広くはないと思われる。OpenFOAM 2.0.0やFLUENT R13に追加された機能はこれ。

これと粒子法は別。広義ではDEMも粒子法に含めることがあるけれど、一般には別物だと考える。

粒子法は、連続体を解く際の離散化手法のひとつで、有限要素法や有限体積法のように格子を切るのではなく、連続体を粒子の集まりとみなして解く。SPH法とMPS法が代表的な手法。一般に下記のような特長があるらしい。

  1. メッシュを切らなくてよい(有限要素法や有限体積法では、いかにメッシュを切るかが大きな課題になる)
  2. 計算時間が早い(対流項を計算しないから?)
  3. もともとCG作成に使われていた手法であり、結果表示がきれい

デメリットとしては歴史の浅い手法で、精度に関しては現状では今一つ、ということのようだ。MSCのXFlowは粒子法のソフト。

粒子法がこれから伸びていくのか、一部利用に留まるのか、注目していたいと思う。