少々古い話だが、今年5月、MSC.Software CorporationはNext Limit Technologiesと戦略的パートナーシップを結び、流体解析ソフトウエア「XFlow」を提供することとなった。
- MSC、数値流体シミュレーションソフトウェアXFlowとの戦略的連携により、複合領域シミュレーション領域を拡大(エムエスシーソフトウェア、2011/05/24)
MSCのラインナップにはこれまで流体解析がなかったため、いずれ(そう遠くないうちに)どこかを買収するのではないか、と思っていた。とはいえMSCがほしいのは汎用CFDだろうが、CFXやFLUENTはANSYSだから手が出ないし、となるとSTAR-CD(CD-adapco)しかない!? でもSTAR-CDはDassault Systemesも狙っているのでは!? などと勝手に想像していたのだが、全く違う方向だったようだ。
このXFlowは粒子法である。粒子法は、つい先月公開されたOpenFOAM 2.0.0でも採りいれられていたが、最近注目されている手法である(FLUENT R13でも採用されている)*1。実際の流体解析の課題にどの程度適用できるのかは僕にはわからないが、メッシュを切らなくていいのはものすごく楽だという気はする。従来のオイラー法(格子法)を補完するものなのか、置き換わっていくものなのか。
- XFlow - Innovative CFD Software(MSC Software)
MSCは7月に伝達経路解析「Nastran U* Toolkit」の提供も開始したようだ。慶応義塾大学との共同プロジェクトで、世界に先駆けて日本で発売するというのがすごい。
- MSC、伝達経路解析「Nastran U* Toolkit」の提供を開始(エムエスシーソフトウェア、2011/07/01)
下記の記事で加藤社長の意気込みが窺える。
- 日本法人社長が説明 MSCニュースリリース:MSCが粒子法、荷重伝達経路解析、とユニークな手法を採用(@IT MONOist、2011/07/06)
参考リンク
*1:追記。これは誤りでした。訂正は「粒子法とDEMは別物」(2011/07/24)を参照のこと。