OpenFOAMをLinux環境で使うことがなぜ厄介かというと、
- 自分の周囲にはWindowsマシンならあるがLunixマシンがない
- Linuxマシンはあるが、部署で計算サーバーとして使っており、個人が勝手にソフトをインストールすることはできない
- 手許のWindows PCにLinuxをインストールするのは一般に面倒。Windows環境は残さないといけないから、デュアルブート環境の構築ということになると、さらに面倒
という状況があるのではないかと思う。これを解決するものとしてWubiというオープンソースのツールがある。
Wubi(Windows-based Ubuntu Installer)は、Windows用のUbuntuインストーラーである。これを利用すると、通常のWindows PCを簡単にWindows/Ubuntu Linuxのデュアルブート環境にすることができる。ファイル管理などはWindows側からすることが可能である。アンインストールすれば簡単に元の環境に戻すことができるという、すぐれものだ。
このUbuntu上にOpenFOAMをインストールすれば、フルのOpenFOAMが利用できることになる。Ubuntu版のOpenFOAMはバイナリで提供されているため、他のLinuxディストリビューションに比べればリコンパイルの必要は(とりあえず)なく、インストールは簡単だ。
総括
一口に「Windows環境でOpenFOAMを使いたい」といっても、人により事情はさまざまであろう。
- Windowsは普通に使えるが、UNIXに触ったことがなく使い方がわからない。これから操作を覚えるのも気が重い
- UNIXの操作自体に戸惑いはないが、いまや身の回りのPCやワークステーションはすべてWindowsになってしまい、Linuxマシンが用意できない
前者の場合はBlueCFDかOpenFlow、後者の場合はDEXCSかWubi、ということになるのではないだろうか。
過去記事
- OpenFOAMをWindows環境で使うには:DEXCS(2011/08/15)
- OpenFOAMをWindows環境で使うには:BlueCFD(2011/08/27)
- OpenFOAMをWindows環境で使うには(3):Caedium OpenFlow(2011/08/28)