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スポールディング教授亡くなる

11月27日、英国インペリアル・カレッジの教授であり、CHAM(Concentration Heat And Momentum Limited)社の創業者であり、世界初の商用流体解析ソフトウエアPHOENICSの開発者であるBrian Spalding氏が亡くなられた。93歳。CHAM社のニュースによれば、直前までお元気で、あまり苦しまずに亡くなられたようだ。

以前勤めていた流体解析のソフト会社で、ユーザー会の発表のため本社から開発者を呼んだ時のこと。発表者の紹介をする必要があるため、本人に略歴を訊いたところ、メモを書いてくれたのだが、「僕がスポールディング先生の弟子だということは忘れずに言ってくれ」と強調されたのである。もちろん、忘れずに伝えると答えた。

後日、顔を合わせると、「僕がスポールディング先生に教わっていたということは必ず説明してくれよ」と念を押された。そして発表の直前、わざわざ司会をしていた僕のところまで来て、「僕がインペリアル・カレッジでスポールディング先生の研究室にいた時のことを……」と繰り返されたのだ。

実は僕は当初、競合会社の社長に教わったということは、伝えるべきことなのだろうかと疑問に感じ、省略するつもりでいたが、彼があまりに強調するため、考えを変えた(その意味で、くどくどと何度も言いに来た彼の態度は正しかった)。

今ならわかる。スポールディング先生に直接教えを受けたというのは、それほど名誉なことなのだ。
(2017/04/17 記)

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