OpenFOAM事始め(はてなブログ編)

CAEにまつわるアレとかコレ

はやぶさの映画を観た

はやぶさといえば、もちろん2003年5月9日に打ち上げられた小惑星探査機である。小惑星イトカワのサンプル採集を行ない、一時通信不能状態に陥りながら、昨年6月にサンプルを持ち帰ったことが大きく報道されたのは記憶に新しい。地球重力圏外の天体に着陸してのサンプルリターンは世界初である。つまり、それをJAXAは成し遂げたがNASAは成し遂げていない、という点で、日本の科学技術力を世界に示したものともなっている。

そのためかどうか、はやぶさをテーマに4種の映画が作られることになった。

  1. はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH」:まだはやぶさ帰還前の2009年に製作されたもの。もとはプラネタリウムで上映用に作られたCG映画。のちに角川フィルムインク配給で一般劇場でも公開された。
  2. はやぶさ/HAYABUSA」:監督・堤幸彦、主演:竹内結子、製作・20世紀FOX、10月1日公開。
  3. 小惑星探査機はやぶさ 遥かなる帰還」:監督・瀧本智行、主演・渡辺謙、製作・東映、2012年公開予定。
  4. おかえり、はやぶさ」:監督・本木克英、主演・藤原竜也、製作・松竹、3D実写映画として2012年公開予定。

今回観たのは2である。この業界の人間としては観ないわけにいかないだろうと、封切日の1日、さっそく映画館に足を運んだ。

はやぶさプロジェクトのスタートから打ち上げ、イトカワ到着や帰還時のトラブル、そしてサンプル回収と一連の流れが追え、改めてたいへんなことを成し遂げたのだと実感。特に、予算な少ないためにいろいろな制約が生じているといった、生臭い話も出てきたのがよかった。映画開始約50分後の打ち上げシーンはかなり感動した。

竹内結子は水沢恵という女性の役を演じていたが、これは架空の人物であろう。話を進めるためのいわば狂言回しの役だ。ただし、眼鏡はともかく、その礼を逸した話し方ややや常識を欠く行動、センスのないファッションなど、「理系女子」の描き方が古臭く、ステロタイプだったのは疑問。もっと竹内本来の魅力を生かし、たとえば子供たちが「あんな風な女性になりたい」と憧れるように描けばよかったのに。

西田敏行の演じる的場泰弘は的川泰宣先生のことかなとは思い当たったが、僕自身、はやぶさに関しては一般報道されている程度の知識しかなく、他の登場人物はモデルがいるのか、いるとしたら誰なのか、判断がつかず。どこまでが創作でどこまでが事実に基づいているのかもわからず。

あとで聞くと、管制室の窓にリポビタンDが積み上げられていく様子はまさに実際の出来事だったらしい。また、管制室の様子がブログでリアルタイムに配信されていたのも事実だったようだ。中和神社へのお参りは?

佐野史郎は、脇役専門の俳優というイメージが強かったが、今回(はほとんど主役といってもいい役柄。演じた川渕幸一のモデルは川口淳一郎先生だそうである。なるほど。(確かに顔もそっくり!)

後半、ちょっとギャグが多すぎたのはいただけないが、劇場ではかなり受けていたからあれはあれでよかったのかも知れない。一度は観ることをお薦めする。

小惑星探査機 はやぶさ物語 (生活人新書)

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