Henry Wellerの設立したOpenCFD社が現在のOpenFOAMの開発元であり、ここがリリースするのがいわば「正規版」になる。最新バージョンは2.0.0。また、Hrvoje Jasakが設立したWikki社では、OpenFOAMの機能拡張に意欲的に取り組んでおり、機能追加されたものをOpenFOAM Extendとしてリリースしている。これが「拡張版」で、最新バージョンは1.6。
元々は共同開発者だったHenryとHrvojeがどうして分れてしまったのかは知らないが、現在、OpenFOAMは2系統あることになる。そして、HenryとHrvojeの仲は決してよろしいものではない、というのは、関係者なら誰でも知っている公然の秘密である。
ところで、自分は8月2日のHrvojeによるOpenFOAMトレーニングにも参加していた。有料のセミナーなので、内容を勝手に公開するのはあまりよくないだろうが、これだけは記しておきたい。最終セッションの最後で、Hrvojeがこのように述べたのだ。
現在、OpenFOAMはOpenCFD社の正規版とWikkiの拡張版の2系統あるが、こんな風に分れているのは誰にとってもハッピーではないから、ひとつにしようとHenrryに呼びかけている。今のところHenrryはそれに対しては否定的だが、粘り強く彼を説得していく、と……。
なんという素晴らしい話だろうか。もしそれが実現したら、いや、是非とも実現させてもらいたい。HenryとHrvojeの二人の叡智が再びひとつになることこそ、世界中のOpenFOAMerの望みなのだと思う。
