東芝、決算発表を一か月延期
経営再建中の東芝は、予定していた2016年4月〜12月期連結決算の発表を一か月延期すると発表した。ウエスチングハウス・エレクトリックの会計で不正の疑いがあり、東芝の監査法人が決算を承認しなかったため。
原発事業を主導してきた志賀重範会長は15日付で辞任。
米原発の損失は7125億円にのぼる見通し。
- 第178期第3四半期報告書(自 2016年10月1日 至 2016年12月31日)の提出期限延長に関する承認申請書提出に関するお知らせ(2017/02/14、東芝)
- 代表執行役の異動(辞任)に関するお知らせ(2017/02/14、東芝)
Hexagon社、MSCを買収
クレイドルを買収したことでニュースになったばかりのMSCは、丸ごとスウェーデンのHexagon社に買収された。2月2日発表、4月に買収は完了予定。合意額は8億3400万ドル。
プレスリリースはこちら。
- ヘキサゴンはMSC Software、CAE(シミュレーション)ソフトウェアのリーディングプロバイダーの買収に合意(ヘキサゴン・メトロジー株式会社、2017/2/2)
MONOistの記事。
- 米MSCがHexagonによる買収に合意、ただし「今後も独立性維持」(2017/2/7)
「今後も独立性維持」を見て、へー、そうなの? と思い本文を読むと、「今後もMSCブランドと会社の独立性および独立したオペレーションは変わらない」と言っているのはMSCの日本法人だ。そりゃ彼らはそう言うだろう。問題は、ヘキサゴン側がどう考えているかだ。エンジニアスがダッソー・システムズに買収されたあと、どういうことになったか、エムエスシーソフトウェアの加藤穀彦社長はよくご存じのはずだ。
(2017/03/09 記)
過去記事
- MSCが音響解析ソフト「ACTRAN」を買収(2011/09/26)
- MSC、ソフトウェアクレイドルを買収(2016/12/20)
本田・日立 EV事業で提携
ホンダと日立オートモティブシステムズは、電気自動車(EV)などに使う車載用モーター事業で提携、7月に共同出資会社を設立すると発表した。資本金は50億円、出資比率は日立オートモティブが51%、ホンダが49%。本店は茨城県ひたちなか市に置く。ホンダは2030年に新車の2/3を電動化する目標を掲げている。
- 電動車両用モーター事業の合弁会社設立に関する基本合意書締結(2017/02/07、日立オートモティブシステムズ株式会社)
- 電動車両用モーター事業の合弁会社設立に関する基本合意書締結(2017/02/07、本田技研工業株式会社)
もんじゅ 廃炉に
政府は高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を決めた。原発で出た使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル事業の要であったが、巨費を投じながらほとんど稼働しなかった。
1995年12月にナトリウム漏れ事故が発生。当時の運営主体の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)は事故現場の映像を隠して信用を失った。2005年からは日本原子力研究開発機構が采井を行なう。2010年5月、14年ぶりに運転を再開したが、3か月後に再び停止。2012年には一万件近い機器の点検漏れが発覚。運転禁止となり、2015年に原子力機構が退場。その後、もんじゅの担い手が見つからなかったため。
しかし政府は核燃料サイクルの延命も決めた。青森県六ケ所村の再処理工場は20年以上も前に着工したのに23回も関税を先延ばし。現在は2018年上期に完成の予定だが。
MSC、ソフトウェアクレイドルを買収
なぜMSCがXFlowを手放したのか、と思ったが、こういうことだったのか。MSC Software Corporation は2016年12月15日に株式会社ソフトウェアクレイドルの株式のすべてを取得。
- MSC、熱流体シミュレーションのソフトウェアクレイドルをグループ企業に(エムエスシーソフトウェア、2016/12/20)
クレイドルの製品は、メッシュが手軽に切れ、解析のスピードも速く、値段もお手頃のため、国内ではかなりのユーザーがいる。一方、海外にも拠点をいくつか作り、販売に力を入れているようだが、ほとんど売れていないのが実情のようだ。
この「海外に弱い」という唯一のアキレス腱が、MSCのグループ企業になることで克服されるならば、他のCFDベンダーにとっては脅威だろう。
(2017/03/09 記)