OpenFOAM事始め(はてなブログ編)

CAEにまつわるアレとかコレ

シーメンス、アルテアを買収

2024年10月30日、シーメンスはアルテア・エンジニアリングを100億ドル(約1兆000億円)で買収すると発表した。買収完了は2025年後半の予定。

続々とCAEの会社の買収が進む中、アルテアも巻き込まれずにはいられないだろうと思っていたから、買収自体は驚かないが、買収したのがシーメンスというのは驚いた。既にCDアダプコを傘下に収めている。アルテアの方がはるかに手広くやっているが、基幹業務である構造解析、流体解析、メッシュ作成などに関しては完全にアダプコとかぶる。買収価格はアルテアの方が10倍以上だが、この分野の知名度と実績はCDアダプコがはるかに上だ。これから先、開発をどのようにまとめていくのだろう。

それとも、自分がCAEの人間だからアルテアと言えば構造解析、流体解析、メッシュ作成と考えてしまうが、アルテアの基幹業務は全く別なのだろうか?

NUMECA、CADENCEに買収される

2021年1月20日ケイデンス・デザイン・システムズ社は、NUMECA Internationalを買収する最終契約を締結したことを発表した。買収の条件は非公開。

ケイデンス・デザイン・システムズは、アメリカの半導体開発用ソフトウェア(EDA)企業で、世界の電子設計技術およびエンジニアリング・サービスの最大のサプライヤーである。近年はシステム解析領域のソリューション開発に力を注いでおり、3D電磁界解析ソルバー、3D FDTD電磁界解析ソルバー、電気・熱の協調シミュレーション環境など、次々と新製品を投入している。

NUMECAは流体解析ソルバーやメッシュ作成のソフトウエアの開発に実績があり、創業者がいまだ第一線で頑張っている、今となっては稀有な存在である。業界再編が進む中、いずれどこかに買収されることは必至であったろうが、今回のニュースは二つの点で驚きであった。

ひとつは、創業者(Prof. Charles Hirsch)が第一線を退いた後はともかく、現場の陣頭指揮を執っているうちは買収はないと思っていたこと。もうひとつは、予想外の分野から触手が伸びてきたこと。

CFXやFLUENTがANSYSに買収され、ソフトウエア・クレイドルがMSCに買収され、CDアダプコがシーメンスに買収され、というのはわかる。同じあるいは隣接する業界だから。ANSYSがANSOFTを買収したことの逆の構図だと考えれば、あり得る話か……。*1

*1:自分はNUMECAを買収するのはダッソー・システムズではないかと漠然と考えていた。理由は、ダッソー・システムズはPowerFLOWとXflowを買収したものの、汎用のFVMソルバーを持っていないので、依然としてCFD会社に対する関心は薄れていないだろうと思うことと、NUMECAのHQはベルギーで、フランス語文化圏にあるため、ダッソー・システムズと親和性が高いのではないかと思ったこと。今となってみれば薄弱な根拠である。

川崎重工業、船舶海洋とエネルギー・環境プラントが事業統合

川崎重工業株式会社には6つの社内カンパニーがある。

  1. 船舶海洋カンパニー
  2. 車両カンパニー
  3. 航空宇宙システムカンパニー
  4. エネルギー・環境プラントカンパニー
  5. モーターサイクル&エンジンカンパニー
  6. 精密機械・ロボットカンパニー

2021年4月に、船舶海洋とエネルギー・環境プラントが事業統合されることになった。また、2021年10月に車両カンパニーおよびモーターサイクル&エンジンカンパニーが分社化されることになったと、11月2日にアナウンスされた。

三菱日立パワーシステムズ、三菱パワーへ社名変更

三菱日立パワーシステムズ株式会社は、株式会社日立製作所が所有する同社の全株式の三菱重工業株式会社への譲渡に伴い、2020年9月1日より社名を「三菱パワー株式会社」とした。

これに伴い、「三菱日立パワーシステムズエンジニアリング株式会社」も「MHIパワーエンジニアリング株式会社」に変更した。

過去記事

(2020/9/14 記)

サンデンホールディングスが事業再生ADRを実施

サンデンHRは事業再生ADR裁判外紛争解決手続)の申込みを決議し、即日受理されたという。

ADRとは寡聞にして初めて聞いたが、要は銀行に対して、借入金の返済を一時停止してもらうよう要求したということ。日経は見出しに「私的整理」と掲げており、これだとまるで会社を畳むかのような印象を受けるが、そうではないようだ。

それにしてもサンデンといえば、カーエアコン(用のコンプレッサ)としては世界的な企業であっただけに驚く。必ずしも新コロナのせいばかりではないのだろうが、一丸となって再生を図るべき時に工場の休業を強いられ、体力が尽きたということか。

「カルソニックカンセイ株式会社」から「マレリ株式会社」へ

プレスリリースを順に追うと次のようになる。

フィアット・クライスラー・オートモービル(FCA)は自動車部品子会社であるマニエッティ・マレリを、カルソニックカンセイの親会社であるCKホールディングスに売却(買収価格は62億ユーロ=約8,060億)。これにより、世界有数の独立系の自動車部品サプライヤーが誕生した。

統合ブランドとして「マレリ」が採用され、そして社名も変更された、ということ。慣れ親しんだカルソニックカンセイ(CKエンジニアリング)の名がなくなるのは寂しい。
(2021/5/31 記)

ANSYS、Livermore Software Technology社を買収

2019年9月11日、ANSYSはLS-DYNAの開発元Livermore Software Technology社を買収することで正式合意したと発表した。

ANSYSは既に陽解法のソフトウエアとしてAutodynを持っているが、今後はどういう位置づけになるのだろうか?

(2020/03/03 記)